原題『HOMECOMING Reclaiming and Championing Your Inner Child』
幼少時の心の負担を抱える人達に向けられた内容です。
負担の原因となる存在として取り上げられるのは彼らの親です。
子供に対し暴力をふるう、出生を否定する、主張を全く認めない、コントロールしておきながら成果を無下にする。
そのように扱われて大人になった人達は自立したところで、何かしら行動を行うたびに戸惑い、自分を疑い、踏み出すことを恐れてしまう。
他者によるコントロールや意思の下で育った人は自分の意思に従うことができなくなってしまう。
そもそも自分の意思とは何なのか見据えることすらできない。
彼らはそんな自分にもどかしさ以上の感覚、感情を向けてしまうようなのです。
自分は情けない、恥ずかしい、どうしようもない存在だ。
もちろんそんな存在であるはずは無いわけで、そのように思い込むのには原因があり、それを克服して行くにはどのようにすればよいかを示した本です。
過去の自分との「対話」を通して自分自身が幼時の彼らを許容するという手法がかなり詳細に記されています。
心理カウンセリングの一種なのでしょう。自分が自身の心に寄り添う必要性、そしてそれは許されざる行為ではないことを筆者は説いています。
カウンセリングの対象となる悩める人達は中年から壮年のようです。
自分自身の現在年齢と幼少時の経験から共通するものが感じられ、それがこの本を手に取った理由のひとつでもあるのですが、それについてはまた次回に。